第2期オーテピア高知図書館サービス計画(案)へのご意見に対する考え方 第2期オーテピア高知図書館サービス計画(案)について、令和3年7月6日(火)から令和3年8月5日(木)まで県民の皆様からのご意見を募集しましたところ、7名の方から11件のご意見をいただきました。 お寄せいただいたご意見とそれに対する考え方について、下記のとおり取りまとめましたので公表します。 ご意見をお寄せいただきました皆様に厚くお礼申し上げます。 番号1 ご意見の概要 職員が視察の方を案内していたが、声が大きい。職員も訪問者も双方、話し声を配慮してもらいたい。見送り時も1階受付付近の通路いっぱい広がっていて迷惑だった。「公共性」をもって行動してもらいたい。 ご意見に対する考え方 オーテピア高知図書館は「会話ができる図書館」ですが、他の利用者の図書館利用を妨げるほど大きな声で話すことはご遠慮いただいており、当然のこととして、職員も同様に気を付けるべきであります。職員が利用者の利用を妨げることがないよう、利用環境や動線に配慮しながら、視察等に対応することを心がけます。 番号2 ご意見の概要 知的障害がある娘は本が好きだが、幼い本しか読むことができず、ヒーローものの本を選んでいる。幼児や小学生だけの居場所とならないよう、絵本のコーナーのあり方を考えてほしい。 ご意見に対する考え方 オーテピア高知図書館の各フロアのスペースやコーナーは、どなたが使っていただいても構わないものですが、こどもコーナーは、主たる対象(乳幼児~小学生)が想定されているため、中学生以上の利用者には利用しにくい点があるかもしれません。 障害特性に応じて、可能な限り対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。 番号3 ご意見の概要 知的障害者が本を選ぶことの難しさを感じている。漠然と「こんな本が読みたい」といった願いに、寄り添った対応が必要である。 ご意見に対する考え方 図書館利用に障害のある人へのサービスを含むすべてのサービスについて、第2期サービス計画(案)P26にあるとおり、「専門性の向上」及び「利用者に寄り添った対応ができるホスピタリティの向上」に取り組んでまいります。 また、第2期サービス計画(案)では、知的障害者等の読書環境のさらなる向上に向けて、知的障害者等を対象とした代読(やさしい読み上げ)サービスの実施を検討することとしています(P47)。 今後も、知的障害者に寄り添ったサービスの実現に向けて取り組んでまいります。 番号4 ご意見の概要 第2期オーテピア高知図書館サービス計画「第5章 基本方針の実現に向けたサービス・取組」「2-2 サービスの普及・啓発(連携・広報)」について オーテピア高知図書館の活用方法として、あまり知られていないような図書や情報資料(バリアフリー図書など)を各種団体・関係機関に展示・説明するなど、県民市民に対し広く図書資源を周知する。このことにより、オーテピア高知図書館の利用促進を図る。 ご意見に対する考え方 P27の2行目<主な取組>に以下を追加します。 ・さまざまな資料・情報を各種団体・関係機関に対して紹介するとともに、団体・機関が実施するイベント等の機会に展示することで、図書館の情報資源を周知します。 番号5 ご意見の概要 オーテピア高知図書館のサービスを県民が享受するために 全国有数の資料費や先進的なサービスを県民全体が受けるためには、オーテピア高知図書館の直接利用だけでなく、市町村立図書館を通した間接利用が欠かせない。市町村が域内住民へのサービスのため、オーテピア高知図書館を「我がこと」とする意識の醸成が必要である。そのため、今後もブロック別支援担当者の配置はもちろんのこと、オーテピア高知図書館と市町村の連携モデルの好例があれば、積極的に紹介してほしい。 ご意見に対する考え方 オーテピア高知図書館が、県市合築により整備・運営されているのは、「合築」それ自体が目的ではなく、県市両館のそれぞれが役割と機能を果たしながら、共通する業務を一体的に行うことによって、両館が担う独自機能をこれまで以上に発揮し、県民・市民の利便性を高め、充実したサービスを提供するためです。県立図書館の独自機能である「市町村立図書館等への支援」についても、第2期サービス計画では、「人的・物的支援を強化する」(P21)こととしています。 具体的なサービス・取組(P48)として、引き続き、「東部・中部・西部の各ブロックの担当職員」を置くこととしています。 また、「他の図書館が『目指す姿』としてモデルとなるような図書館サービスの実現に向けて、オーテピア高知図書館が蓄積したノウハウ等を共有するなどの必要な支援」を行うこととしています。特に、人的支援に関する取組の一つである「課題解決支援サービス実施への協力」では、「市町村立図書館等において課題解決支援サービスに取り組むことができるよう、事例の紹介や提案」を行うこととしており、オーテピア高知図書館と市町村立図書館等との連携にとどまらず、関係機関・団体等を巻き込んだ連携に向けた支援を行う予定です。 引き続き、高知県の読書・情報環境の改善及び県全体の図書館サービスの充実を目指し、取り組んでまいります。 番号6 ご意見の概要 計画の推進体制(P4) 平成30年度に県が策定した『高知県図書館振興計画』に基づいて設置した「高知県市町村図書館等振興協議会」の位置づけが必要である。サービスの「蛇口」となる市町村の振興がポイントになる。 ご意見に対する考え方 『高知県図書館振興計画』では、県立図書館が行うサービス・取組として、オーテピア高知図書館サービス計画における「市町村立図書館等への支援」を挙げており、これらの取組を着実に実施することで、市町村立図書館等の充実・強化を図ることとしています。 それに加えて、同計画が定めた基本理念や目指す姿、取組の方向性を踏まえ、オーテピア高知図書館の県立図書館としての機能を最大限に活用し、県内全域の市町村立図書館及び公民館図書室の読書環境・情報環境の改善に向けた方策について検討するため、高知県市町村図書館等振興協議会を設置し、「市町村教育長等との協議」を踏まえ市町村における図書館振興の取組状況の検討等を行うこととしています。これらは教育行政に関わる領域の取組であり、その所管は県教育委員会事務局生涯学習課となります。 オーテピア高知図書館の県立図書館機能は、『高知県図書館振興計画』と連動し、県や市町村の教育行政と一体となって発揮していくべきものですが、あくまで人的・物的な側面支援であり、市町村の図書館振興を直接的に進める教育行政の機能そのものに替わる立場にありません。 以上を考慮し、サービス計画の本文には反映しませんが、引き続き、『高知県図書館振興計画』と連動する取組として、「高知県図書館振興協議会」での協議内容も十分踏まえながら、サービス計画上の「市町村立図書館等への支援」を行うこととします。 番号7 ご意見の概要 計画を推進していくにあたり、今後5年間で特に注力する点やキーワードを強調するなど、文全体にメリハリがあると、県・市の考え方の理解がより進む。 ご意見に対する考え方 第2期オーテピア高知図書館サービス計画の策定後、冊子とする際には、読み易さを考慮した内容とします。また、第2期サービス計画を分かりやすくPRするために、概要版やダイジェスト版の作成を検討します。 番号8 ご意見の概要 マンガによるサービス紹介は非常に有効だと感じる。今後も県民や関係機関への手段としてほしい。 ご意見に対する考え方 図書館サービスの有用性を具体的に分かりやすくPRするうえで、今後もマンガを積極的に活用していくこととしています。このことについて、「第5章 基本方針の実現に向けたサービス・取組」の「3 具体的なサービス・取組」でも触れていますが、加えて同章の「2 サービス提供体制の強化・充実のための取組」で以下のとおり言及し、より明確に位置付けることとします。 P26~P27 2-2 サービスの普及・啓発(連携・広報) <主な取組> (修正前)・図書館の活用事例を生かした分かりやすい広報を行います。 (修正後)・図書館の活用事例を生かし、マンガ等を活用して分かりやすく具体的にサービスをPRします。 番号9 ご意見の概要 第2期サービス計画(案)にあるように、今後、SDGsに向けての取組も期待されるが、その他にも、子育て応援コーナーの充実、子育て中でも気軽に利用できるよう他市町村との連携等、ますます充実発展させてほしい。 ご意見に対する考え方 第2期サービス計画(案)P40~41の「児童サービス」では、「妊娠中の女性やそのご家族、赤ちゃんから小学生までの子どもがいる保護者を支援する」ための「子育て応援コーナー」に関して、「子育てに関連する図書を展示するとともに、県内で行っている子育てに関するイベントの情報も提供」することとしています。子育てに役立つ資料・情報提供の機能を強化するためにも、高知市以外の県内市町村や関係機関・団体等との連携を深めてまいります。 「子育て応援コーナー」自体は、2階こどもコーナーの一角の限られたスペースにあるため、P41のとおり、「関連する各コーナーの資料へと案内できるよう、ブックリストやパスファインダーを作成」するとともに、「非来館でも利用できるように、作成したものはウェブ・サイトに掲載」することで、ニーズや利用スタイルに応じた資料・情報を提供できるよう、充実を図ります。 番号10 ご意見の概要 オーテピア高知図書館が提供する市町村への支援等が、市町村立図書館での具体的な利用向上に結びついている事例がある。今後も、県下全域に目を向けた図書館サービスを続けてほしい。 ご意見に対する考え方 番号5のご意見に対する考え方同様、引き続き、高知県の読書・情報環境の改善及び県全体の図書館サービスの充実を目指し、取り組んでまいります。 番号11 ご意見の概要 図書館の魂ともいえる「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会)について記載してはどうか。 ご意見に対する考え方 日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」は、法令ではないものの、国民の知る権利や思想信条の自由に奉仕する図書館が順守すべき原則を示していると考えます。 特に、近年は、デジタル技術の進展に伴い履歴情報を活用した図書館サービスの創出等に期待が寄せられる一方、図書館利用に関わるプライバシー保護についての社会的関心が高まっています。このような状況を受け、同協会の図書館の自由委員会は、「デジタルネットワーク環境における図書館利用のプライバシー保護ガイドライン」を令和元年5月24日に策定しました。 このような動向に対応するため、「第3章 オーテピア高知図書館サービス計画(第1期)に基づく取組の成果・課題」「3 社会情勢の変化や国の施策に関わる動き」(P14~)に「図書館利用のプライバシー保護についての社会的関心の高まり」の項目を立て、上記の動向を説明する中で、「図書館の自由に関する宣言」について記載します。